ツイッター等インターネットの世界で日垣隆氏は「アーサー」「自演先生」「日垣☆自演乙☆隆」などと呼ばれている。これは日垣氏がamazon.co.jpで「アーサー」というハンドルネーム(Amazonでは「公開名」という)を使い自著に対し星5つのレビューを投稿していたとされていることに由来する。この記事ではこの問題の事実関係を記述する。
2011年5月6日
アーサーにより投稿された次のAmazonレビューが公開され、すぐに2ちゃんねるやツイッター上で話題になる。レビュー対象商品は日垣隆氏の近著『電子書籍を日本一売ってみたけれど、やっぱり紙の本が好き。』である。発売日である4月28日の翌週であった。
5つ星のうち 5.0 こんなレビュー許されるのか。, 2011/5/6
レビュー対象商品: 電子書籍を日本一売ってみたけれど、やっぱり紙の本が好き。 (単行本(ソフトカバー))
許されるのでしょうね(笑)。完全な逆恨み。気の毒な小心者。面と向かって言えない東電社員。
読みもしないで。20万人の本物の読書人に読まれたい。つりあいとれるよう、
不本意ながら、卑劣すぎるので星つけさせてもらいます。著者。
レビューの最後に「著者」と名乗っていることにより騒ぎになったが、それ以上に問題があることがすぐにわかった。Amazonのレビューでは公開名とそのユーザーがこれまでに投稿したレビューが紐づいているのだが、アーサーがこれまでに投稿したレビューはすべて日垣氏の著作であり、またすべて星5つの絶賛レビューであった。アーサーがそれまでに星5つのレビューを投稿していた商品は『ラクをしないと成果は出ない』『知的ストレッチ入門』であり、『知的ストレッチ入門』は発売翌月 (2010年4月6日) に、『ラクをしないと成果は出ない』は発売日の4日後 (2008年5月27日) にそれぞれレビューを投稿していた。
参考資料: アーサーにより投稿されたレビューの一覧(魚拓)
2011年5月8日
日垣氏はツイッター上でユーザーに詰問され、「アーサー」によるレビューが自身によるものであることを認める。発言を次に引用する。赤字部分が日垣氏の発言である。
http://twitter.com/hga02104/status/66981677494321152
★一つをつけた私怨と嫉妬のReview、Amazonのためにもなりません。そうだんして、著者として抗議しました。あなたも本質的問題を少しは考えたら。仕事がないの?RT @kasatoku@hga02104が自著を本人がレビューして星5つつけてらっしゃる。偽物ですよね?先生。http://twitter.com/hga02104/status/67046574043316225
常岡の薄汚い嫉妬の塊のReviewに鉄槌を下しただけ。AmazonのReviewなど、どうでもよろしい。拉致ごっこプー太郎へ。RT @shamilsh ううっ!心から切ない気持ちになった。自分で自分の著書をレヴューして5つ星をつける日垣さん。やはりこの人はすごい!
続いて、アーサーによる『電子書籍を日本一売ってみたけれど、やっぱり紙の本が好き。』のレビューがAmazonから消えた。ユーザーからの違反の報告により消されたのか、アーサーが自ら消したのかはわからない。尚、著者による宣伝目的のレビュー(及び他のレビューに対するレビュー)の投稿は次のようにAmazonにより禁止事項とされている。
参考資料: レビューガイドライン(更新日:2011年9月12日), 以下引用
禁止事項
カスタマーレビューは、商品に関する意見や感想を自由に公開できる場です。Amazon.co.jpでは、健全なコミュニティを維持するために禁止事項を設けています。せっかくお書きいただいたレビューでも、次の内容および行為を伴うレビューまたはコメントの掲載は削除の対象となりえますのでご了承ください。(略)
- 著者や出品者等による、商品を宣伝する営利目的での投稿
(略)
- サイトの同一ページ上で閲覧できる他のレビューに対するレビュー (サイト上に掲載される内容は適宜変更されるため)
しばらくして、アーサーによる次のレビューが掲載される。
5つ星のうち 5.0 こんなレビューはアマゾンを破壊する。, 2011/5/6
レビュー対象商品: 電子書籍を日本一売ってみたけれど、やっぱり紙の本が好き。 (単行本(ソフトカバー))
たった2行で、罵倒するレビュー。
そしてまた、読みもしないで、「ウソ」と断じるレビュー。
根拠はすべて詳細に本の中に示してあります。だいたい、電子書籍に最も熱心な講談社が、そのあたりをチェックしないわけないでしょう。
ただただあきれるばかりです。
著者として、☆をつけるのは躊躇しますが、本人が一つや三つをつけるのはむしろ不自然ですし、
自分で完成させた時点で、これで万端という思いから脱稿したわけですから、
また、このレビューを乗せるのに☆をつけざるをえないので、
5つをつけます。私怨に基づく☆一つ、というのは慣れていますので、気にしませんが、
いくらなんでも、ここまでモラルハザードと嫉妬が蔓延、という事態には少々嫌気がさしております。著者
程無くして、上記のものを含むアーサーによるすべてのレビューが消えた。
2011年5月10日
三たび、アーサーによる次のレビューが掲載される。
5つ星のうち 5.0 今年最高の収穫, 2011/5/6
レビュー対象商品: 電子書籍を日本一売ってみたけれど、やっぱり紙の本が好き。 (単行本(ソフトカバー))
なぜ、25年も前から、著者はデジタル化を予言し、ためらわぬ試行錯誤を、フロントラインで繰り返してきた。そして、ついに、宣伝費も大御所の電子書籍の売り上げを、180点のオリジナル電子書籍よ総合戦で断然トップ。
その根拠も詳しく述べられており、そのオリジナリティに脱帽。
紙の本との、バランスもよいし、本書でも日垣節は健全。
よく、ここまで書いたもの。
今年最大の収穫。フリーという生き方に憧憬を抱く。
ビジネスパーソンには最高のビジネス書にもなっている。
参考資料: アーサーのレビュー『電子書籍を日本一売ってみたけれど、やっぱり紙の本が好き。』(魚拓)
2011年5月11日
日垣氏、ツイッター上でユーザーに詰問され、Amazonのレビューはスタッフが投稿したものだと発言する。
http://twitter.com/hga02104/status/68012592316162048
Amazonが何度も消すので、義憤にかられたスタッフが投稿。ま、ありがたいこと。他のレビューは本を読んでないことが明白。男の嫉妬は気持ち悪い。RT @UmaMurak 結局、このamazonのどうしようもない自演レビューはなんなんですか?答えられないんですか?
問題点
- 著者が星5つのレビューを投稿した。Amazonには著者からのコメント・出版社からのコメントを表示する仕組みが既にある
- 過去にも自著に対し、一般顧客を装って星5つの絶賛レビューを投稿していた
- 最終的に『電子書籍を日本一売ってみたけれど、やっぱり紙の本が好き。』にも著者と名乗らず星5つの絶賛レビューを投稿した
- 当初は自身でレビューを投稿したことを認めたが、後にスタッフがやったと言を翻した
- 作家であるにもかかわらず、レビューの日本語が変で意味不明である
- 『電子書籍を日本一売ってみたけれど、やっぱり紙の本が好き。』に対して最初に投稿したレビューは次のレビューに対する反論あるいは抗議であろうと推定されるが、なぜか相手を「東電社員」と決めつけており、ツイッターでの発言では常岡氏と断定している
補足
アーサーによる『電子書籍を日本一売ってみたけれど、やっぱり紙の本が好き。』のレビューはいずれも日付が 5/6 になっている。これが実際はどのような順番で投稿されたのか、またどうして前のレビューが消えた後に以前に投稿したレビューが表示されたのかはわからない。
アーサーによる『電子書籍を日本一売ってみたけれど、やっぱり紙の本が好き。』のレビューは2011年10月22に消える。そしてこの後ある事件が起きる。
(『「情報への作法」Amazonレビュー自作自演騒動』に続く)
参考資料
アーサー(ID: AYJF3GVXYQR47) により書きこまれたレビュー
http://www.amazon.co.jp/gp/cdp/member-reviews/AYJF3GVXYQR47?sort_by=MostRecentComment
★自演乙★日垣隆先生がamazonで自画自賛レビューをして炎上ちう。
http://togetter.com/li/134136
【リビア被災地】日垣隆・総合スレ★35【脳内訪問】
http://logsoku.com/thread/kamome.2ch.net/books/1301318448/
【自演レビュー】日垣隆・総合スレ★36【三陸沖】
http://logsoku.com/thread/kamome.2ch.net/books/1304670178/
【降臨】日垣隆とやらが自らの著書に5つ星でアマゾンレビューを投稿し話題に
http://logsoku.com/thread/hatsukari.2ch.net/news/1304832889/