2011/10/30

緊急日垣塾中止事件

日垣隆氏が自身の有料メールマガジン購読者向けに開いている「緊急日垣塾」というイベントがある。これの第7回が2011年10月29日に開催予定だったが、中止された。この計画から中止までが不可解であったため時系列に沿って記録する。

2011年8月28日

有料メールマガジン「ガッキィファイター」(第384-2号)が配信される。この号には「お知らせ」として今後のイベント日程が書かれており、10月29日(土)にイベントを行うことが告知されていた。

以下はメールマガジン第384-2号からの引用である。

□お知らせ
   ◆今年のイベント予定
(略)
  9月24日(土)  以下は内容未定。準備は順調! 
          いずれも12:59-17:00
 10月29日(土)
 11月19日(土)
 12月17日(土)

2011年10月17日

「聞かずに死ねない――難病患者から奇跡のメッセージ」というタイトルのイベント申し込みページが日垣氏の公式サイト上に作られていることが報告される。日時が10/29であること、メルマガ会員参加費が3,500円一般(非有料メルマガ会員)参加費が5,000円であることが確認された。

ページのURLからページ作成日は10月12日であると推定される。このページについてウォッチャーからの反応は以下のようなものであった。


2011年10月23日(深夜)

メールマガジン第391号が配信され、10月29日のイベントについて初めて告知される。以下はメールマガジン第391号からの引用である。

□重要なお知らせ
 ◆第7回緊急(ほんと緊急!)日垣塾
 「難病患者から奇跡のメッセージ
  きっと、あなたの人生も変わり始める」特別講座

  ~~難病と闘う青年を静岡からお迎えして、じっくりお話を伺いつつ、
  人生に意味はあるのか、という根源に迫ります~~
 (10月29日 土曜日12:59~16:00)
(略)
■お申込みは、こちらから
【約100人が会場の限界ですので、10月25日(火)までに是非】
  ↓
「難病患者から奇跡のメッセージ」(メルマガ会員専用)
 3,500円
 http://bit.ly/pBsVM4
(略)
■場所:戸山サンライズ(東京都新宿区)
  (地図) http://bit.ly/aJy3px
(略)

■講師(日垣からのインタヴューになるかと思います)
 池谷直士(いけや・なおひと)さん。
(略)
当方の準備に時間がかかり、本当に申し訳ありません。
開催までに1週間を切ってしまいました。
 お申し込みは、これから3日以内を目標に(できたら今すぐ!)お願いいたします。

このメールマガジンは目次のみ日垣氏の公式サイトで公開されている(トップページに公開されていた時の魚拓)

メール配信にかかる時間はそれぞれの環境で異なるが、着信は10/23(日)深夜~10/24(月)早朝になり、会員がメールを確認したのはおそらく早くて月曜日の朝になっただろう。火曜日までに申し込みをして欲しいというのは無茶ではないだろうか。なお、このイベントの告知はこれが最初で最後となったと思われる。少なくとも私は確認できておらず、報告もない。

申し込みページに書かれていた「聞かずに死ねない」というタイトルはどうかという意見があったが、メールマガジンではそのタイトルは採用されていなかった。しかし、申し込みページのタイトルはそのままであった。

2011年10月25日(深夜)

日付が10月26日に変わった頃、イベントの申し込みページに「お申し込みは終了いたしました」との文言が加えられ、申し込みができなくなっていることが確認された。bitlyのアクセス統計によるとその時点で会員用申し込みページに73クリックが記録されていることも確認された。

2011年10月29日

ウォッチャーにより会場の戸山サンライズでは「緊急日垣塾」というイベントは開かれていないことが写真付きで確認された。なお同日に当会場で開かれていたイベントは「JANNET研究会」と「東京ジャガー」であったことも確認された。

2011年10月30日

イベントの講師であった池谷氏のブログWeb魚拓)で緊急日垣塾は集客が芳しくなく中止となったことが知らされた。なお、日垣氏からはこの時点で中止となったことは告知されていない。少なくとも私は確認できておらず、報告もない。

問題点・疑問点

  • 告知が10月23日まで遅れたのはなぜか
    日程は8月に決まっており、会場も日垣氏がいつも使っている戸山サンライズであり、当日は会場にも開きがあった。したがって会場を抑えることができなかったからではなさそうである。
    テーマも10月12~17日には決まっていた。テーマを決めた後に講師のブッキングが遅れた可能性もあるが、池谷氏は10月20~25日の間入院しておりWeb魚拓)、10月23日にブッキングされたとは考えにくい。
  • 中止を告知しないのは問題ではないのか


参考資料

【教授職を断り】日垣隆★73【クローズ講演】
http://logsoku.com/thread/hato.2ch.net/ebooks/1318412919/537-

【アーサー】日垣隆★74【トキワ荘】
http://logsoku.com/thread/hato.2ch.net/ebooks/1319301325/

限定記事:日本テレビとの(間接的な)関係

http://secret.ameba.jp/higakimondai/amemberentry-11063231620.html

2011/10/28

限定記事:個人情報流出事件

http://secret.ameba.jp/higakimondai/amemberentry-11061532368.html

『情報への作法』刊行までの経緯

2011年9月20日に発売された日垣隆著『情報への作法』(講談社+α文庫)には、発売にまつわる興味深い出来事があった。この記事では本の内容ではなく、発売までの経緯について記録する。

本の内容紹介

この本は朝日新聞社の『RONZA』に1994~1997年にかけて連載されていた短編ルポ25本をまとめたものである。最初に単行本『情報の技術』(朝日新聞社)として1997年に出版され、2001年に『情報系 これがニュースだ』(文春文庫)として文庫化された。今回は2度目の改題・文庫化となる。

三ヶ月の刊行延期

当初この本は『情報の奥を読む技術』として、2011年6月20日に発売予定であった。しかし発売予定は7月20日に延期になり、さらに延期されて9月20日に発売された。このことは以下3つの参考資料からわかる。

太洋社 文庫発売予定 2011/06月分
http://www.taiyosha.co.jp/bunko/bunko1106_han1.html
『情報の奥を読む技術』として6月20日に講談社+α文庫から発売予定であったことがわかる。

情報への作法 (講談社+α文庫) (魚拓)
http://megalodon.jp/2011-0826-0959-09/www.amazon.co.jp/dp/4062814331/
『情報への作法』が6月20日に発売予定であったことがわかる。

1日締切26本の成果!日垣隆さん『情報への作法』の発売を祈願するまとめ
http://togetter.com/li/149796
7月20日刊行予定が取り消されたことがわかるが、元の情報は失われてしまっている。

締め切り26本

日垣氏は、今回の再文庫化に伴い加筆を行うことになっており、その加筆部分はおそらく5月16日(月)の朝が締め切りであったと思われる。それは前述の「1日締切26本の成果!日垣隆さん『情報への作法』の発売を祈願するまとめ」にまとめられている先頭2つのツイートから推定される。また、日垣氏による次のfacebookノートも残されている。

明日は地獄の千本ノック 作成: 日垣隆 日時: 2011年5月13日 16:38
http://www.facebook.com/note.php?note_id=216583181703382

加筆はまえがきとあとがきのみ

先のまとめにも取り上げられているが、日垣氏は5月7日の時点で再文庫化に際し改訂・加筆を行うことになっていたことが伺える。

http://twitter.com/hga02104/status/66550805276274689
文庫の改訂版。大量の加筆。が、絶版が初版数万部で蘇るのは、嬉しいこと。印税は電子書籍の10分の1だけれども、やっぱり紙で読んでもらいたい、その本はとくに。6月20日刊。原稿締め切りと、大阪での婚活パーチが同じ日。ううむ。

ところが、実際に発売された『情報への作法』にはまえがき・あとがきのみの加筆であった。以下は『情報への作法』文庫版のためのまえがき(4~7ページ)からの引用である。

この文庫の刊行に際し、柄にもなくずいぶん長いこと迷ってしまいました。各章には、もともと執筆当時の補足的コメントが入っていたのですが、これに最新のコメントを加えるかどうか、を――。

何度も何度も書いてみました。その結果、現時点での補足は、蛇足としか思えなくなってきたのです。

(中略)

私は、どの章にも新たに書き加えるべき言葉を必要としないと判断するに至りました。

その頃、何をしていたのか

日垣氏が当初に設定されていた5月16日の締め切りを守ることができそうもないと考えていたことは、ここまでに参考資料として挙げた日垣氏の発言より伺える。本当のところはわからないが、発売が延びたのは締め切りを遅らせたのかもしれない。ところで、締め切り前後に日垣氏は何をしていたのだろうか。

ツイッターでこのようなことになっていた。

地獄のミサワか?w 1日に締め切り26本の原稿を抱える日垣隆先生、町山智浩氏に「喝!」
http://togetter.com/li/135378

絶賛更新中!映画評論家【町山智浩】 vs 作家【日垣隆】(日垣☆自演乙☆隆) 『アーサー追う物語』 電脳本土決戦編!!
http://togetter.com/li/135878

Mr.日垣隆 presents ネバーエンディングストーリー2011 @hga02104
http://togetter.com/li/149400

「ネットは1日30分以内」日垣隆(@hga02104)さんの時間の使い方を見習おう
http://togetter.com/li/149313

【地獄のミサワ?】日垣隆(@hga02104)さんの寝てない自慢
http://togetter.com/li/146244

『ご冗談でしょう、ガッキーコングさん』 日垣☆自演乙☆隆氏による議論の本筋を無視した人格攻撃の数々をまとめました。哲学。
http://togetter.com/li/137011

『失敗しても、未遂ではない』のガイドライン
http://togetter.com/li/137036

日垣隆先生の多忙な日々
http://togetter.com/li/135795

この時期、日垣氏のツイッター利用頻度は凄まじく、数多くのまとめが作られた。これら以外のものは右の「リンク」にある「日垣隆まとめ (togetter)」から見つかる。

ポタージュ集

日垣氏の公式サイトでの『情報への作法』販売ページWeb魚拓)に表紙裏の紹介文が載っているが、これが

た、永遠に読み継がれるべき25本の
ポタージュ集である。

となっており、ウォッチャー達の笑いを誘った。このことは唐沢俊一検証blogの2011年10月1日の記事でも取り上げられている。

反響

Amazonのレビュークチコミ等を参照してください。

2011/10/26

Amazon自作自演騒動

ツイッター等インターネットの世界で日垣隆氏は「アーサー」「自演先生」「日垣☆自演乙☆隆」などと呼ばれている。これは日垣氏がamazon.co.jpで「アーサー」というハンドルネーム(Amazonでは「公開名」という)を使い自著に対し星5つのレビューを投稿していたとされていることに由来する。この記事ではこの問題の事実関係を記述する。

2011年5月6日

アーサーにより投稿された次のAmazonレビューが公開され、すぐに2ちゃんねるやツイッター上で話題になる。レビュー対象商品は日垣隆氏の近著『電子書籍を日本一売ってみたけれど、やっぱり紙の本が好き。』である。発売日である4月28日の翌週であった。

5つ星のうち 5.0 こんなレビュー許されるのか。, 2011/5/6
レビュー対象商品: 電子書籍を日本一売ってみたけれど、やっぱり紙の本が好き。 (単行本(ソフトカバー))
許されるのでしょうね(笑)。完全な逆恨み。気の毒な小心者。面と向かって言えない東電社員。
読みもしないで。20万人の本物の読書人に読まれたい。つりあいとれるよう、
不本意ながら、卑劣すぎるので星つけさせてもらいます。著者。

レビューの最後に「著者」と名乗っていることにより騒ぎになったが、それ以上に問題があることがすぐにわかった。Amazonのレビューでは公開名とそのユーザーがこれまでに投稿したレビューが紐づいているのだが、アーサーがこれまでに投稿したレビューはすべて日垣氏の著作であり、またすべて星5つの絶賛レビューであった。アーサーがそれまでに星5つのレビューを投稿していた商品は『ラクをしないと成果は出ない』『知的ストレッチ入門』であり、『知的ストレッチ入門』は発売翌月 (2010年4月6日) に、『ラクをしないと成果は出ない』は発売日の4日後 (2008年5月27日) にそれぞれレビューを投稿していた。

参考資料: アーサーにより投稿されたレビューの一覧(魚拓)

2011年5月8日

日垣氏はツイッター上でユーザーに詰問され、「アーサー」によるレビューが自身によるものであることを認める。発言を次に引用する。赤字部分が日垣氏の発言である。

http://twitter.com/hga02104/status/66981677494321152
★一つをつけた私怨と嫉妬のReview、Amazonのためにもなりません。そうだんして、著者として抗議しました。あなたも本質的問題を少しは考えたら。仕事がないの?RT @kasatoku@hga02104が自著を本人がレビューして星5つつけてらっしゃる。偽物ですよね?先生。

http://twitter.com/hga02104/status/67046574043316225
常岡の薄汚い嫉妬の塊のReviewに鉄槌を下しただけ。AmazonのReviewなど、どうでもよろしい。拉致ごっこプー太郎へ。RT @shamilsh ううっ!心から切ない気持ちになった。自分で自分の著書をレヴューして5つ星をつける日垣さん。やはりこの人はすごい!

続いて、アーサーによる『電子書籍を日本一売ってみたけれど、やっぱり紙の本が好き。』のレビューがAmazonから消えた。ユーザーからの違反の報告により消されたのか、アーサーが自ら消したのかはわからない。尚、著者による宣伝目的のレビュー(及び他のレビューに対するレビュー)の投稿は次のようにAmazonにより禁止事項とされている。

参考資料: レビューガイドライン(更新日:2011年9月12日), 以下引用

禁止事項
カスタマーレビューは、商品に関する意見や感想を自由に公開できる場です。Amazon.co.jpでは、健全なコミュニティを維持するために禁止事項を設けています。せっかくお書きいただいたレビューでも、次の内容および行為を伴うレビューまたはコメントの掲載は削除の対象となりえますのでご了承ください。

(略)

  • 著者や出品者等による、商品を宣伝する営利目的での投稿

(略)

  • サイトの同一ページ上で閲覧できる他のレビューに対するレビュー (サイト上に掲載される内容は適宜変更されるため)

しばらくして、アーサーによる次のレビューが掲載される。

5つ星のうち 5.0 こんなレビューはアマゾンを破壊する。, 2011/5/6
レビュー対象商品: 電子書籍を日本一売ってみたけれど、やっぱり紙の本が好き。 (単行本(ソフトカバー))
たった2行で、罵倒するレビュー。
そしてまた、読みもしないで、「ウソ」と断じるレビュー。
根拠はすべて詳細に本の中に示してあります。

だいたい、電子書籍に最も熱心な講談社が、そのあたりをチェックしないわけないでしょう。

ただただあきれるばかりです。

著者として☆をつけるのは躊躇しますが、本人が一つや三つをつけるのはむしろ不自然ですし、
自分で完成させた時点で、これで万端という思いから脱稿したわけですから、
また、このレビューを乗せるのに☆をつけざるをえないので、
5つをつけます。私怨に基づく☆一つ、というのは慣れていますので、気にしませんが、
いくらなんでも、ここまでモラルハザードと嫉妬が蔓延、という事態には少々嫌気がさしております。

著者

程無くして、上記のものを含むアーサーによるすべてのレビューが消えた。

2011年5月10日

三たび、アーサーによる次のレビューが掲載される。

5つ星のうち 5.0 今年最高の収穫, 2011/5/6
レビュー対象商品: 電子書籍を日本一売ってみたけれど、やっぱり紙の本が好き。 (単行本(ソフトカバー))
なぜ、25年も前から、著者はデジタル化を予言し、ためらわぬ試行錯誤を、フロントラインで繰り返してきた。そして、ついに、宣伝費も大御所の電子書籍の売り上げを、180点のオリジナル電子書籍よ総合戦で断然トップ。
その根拠も詳しく述べられており、そのオリジナリティに脱帽。
紙の本との、バランスもよいし、本書でも日垣節は健全。
よく、ここまで書いたもの。
今年最大の収穫。フリーという生き方に憧憬を抱く。
ビジネスパーソンには最高のビジネス書にもなっている。

参考資料: アーサーのレビュー『電子書籍を日本一売ってみたけれど、やっぱり紙の本が好き。』(魚拓)

2011年5月11日

日垣氏、ツイッター上でユーザーに詰問され、Amazonのレビューはスタッフが投稿したものだと発言する。

http://twitter.com/hga02104/status/68012592316162048
Amazonが何度も消すので、義憤にかられたスタッフが投稿。ま、ありがたいこと。他のレビューは本を読んでないことが明白。男の嫉妬は気持ち悪い。RT @UmaMurak 結局、このamazonのどうしようもない自演レビューはなんなんですか?答えられないんですか?

問題点

  1. 著者が星5つのレビューを投稿した。Amazonには著者からのコメント・出版社からのコメントを表示する仕組みが既にある
  2. 過去にも自著に対し、一般顧客を装って星5つの絶賛レビューを投稿していた
  3. 最終的に『電子書籍を日本一売ってみたけれど、やっぱり紙の本が好き。』にも著者と名乗らず星5つの絶賛レビューを投稿した
  4. 当初は自身でレビューを投稿したことを認めたが、後にスタッフがやったと言を翻した
  5. 作家であるにもかかわらず、レビューの日本語が変で意味不明である
  6. 『電子書籍を日本一売ってみたけれど、やっぱり紙の本が好き。』に対して最初に投稿したレビューは次のレビューに対する反論あるいは抗議であろうと推定されるが、なぜか相手を「東電社員」と決めつけており、ツイッターでの発言では常岡氏と断定している

補足

アーサーによる『電子書籍を日本一売ってみたけれど、やっぱり紙の本が好き。』のレビューはいずれも日付が 5/6 になっている。これが実際はどのような順番で投稿されたのか、またどうして前のレビューが消えた後に以前に投稿したレビューが表示されたのかはわからない。

アーサーによる『電子書籍を日本一売ってみたけれど、やっぱり紙の本が好き。』のレビューは2011年10月22に消える。そしてこの後ある事件が起きる。

(『「情報への作法」Amazonレビュー自作自演騒動』に続く)

参考資料

アーサー(ID: AYJF3GVXYQR47) により書きこまれたレビュー
http://www.amazon.co.jp/gp/cdp/member-reviews/AYJF3GVXYQR47?sort_by=MostRecentComment

★自演乙★日垣隆先生がamazonで自画自賛レビューをして炎上ちう。
http://togetter.com/li/134136

【リビア被災地】日垣隆・総合スレ★35【脳内訪問】
http://logsoku.com/thread/kamome.2ch.net/books/1301318448/

【自演レビュー】日垣隆・総合スレ★36【三陸沖】
http://logsoku.com/thread/kamome.2ch.net/books/1304670178/

【降臨】日垣隆とやらが自らの著書に5つ星でアマゾンレビューを投稿し話題に
http://logsoku.com/thread/hatsukari.2ch.net/news/1304832889/

2011/10/08

クレドPDF流出事件

2011年8月30日、前の記事で示した「mitsumisa's Public Timeline」に3つのファイルへのURLが追加された。PDFファイルがひとつと、音声ファイルが2つであった。音声ファイルは27日に開かれたクレド会員限定の勉強会の模様を録音したものであり、PDFファイルはそれを文字起こしした議事録である。

翌31日早朝、それらの短縮URLが2ちゃんねるの日垣隆スレッドに貼られた。これらのファイルは多数のユーザーにダウンロードされ、9月3日の朝にダウンロードできなくなったことが確認された。bitlyのアクセス統計によるとファイルがダウンロードできなくなるまでにPDFファイルには900弱のアクセスがあったようだ。

どうして公開されているファイルを削除(または移動)したのか?問題視されている他人の著作や有料のPDFがダウンロードできる状態にあったのは放置していたのに?

推測だが、クレド会員からのクレームがあったと思われる。なぜならこのPDFには参加者の写真や、クレド会員の個人情報が含まれていたからだ。

このPDFは議事録であるから、発言者の名前と発言が記されている。可笑しいのは、ドキュメントの最後の方で流出を想定して発言者の名前は下の名前のみとすることを断っているのだが、本文を読むと個人が特定できてしまうのだ。福岡のA新聞の記者、元リクルートで現在は大阪在住、M新聞関係の仕事もしているマーケッター、西日本出身のインテリアデザイナー等…。その場にいない方で、おそらくクレド会員ではないのだろうが、個人が特定できる状態で家庭の問題を暴露されている方もいる。断りを入れている所を読むと、このドキュメントはクレド会員に配布するつもりだが、彼らに対しては秘密厳守とするものの、友人に転送されてしまうかもしれない、程度の流出を想定していたようだ。まさかこれ程の流出になるとは考えていなかったのだろう。

9月3日に議事録・音声ファイルは削除され、無料でダウンロードし放題だった有料のPDFも削除された。そして日垣氏はこれまでとりあげてきたハッカー被害発言をする。

ここからはまた推測だが、問題を知ったクレド会員が日垣氏または担当者に個人情報流出を指摘し、あわせて以前から知っていた有料PDFの流出も伝えたのではないだろうか。そして日垣氏側はそれを受けて対処したのではないだろうか。

日垣ウォッチャーの反応としては、議事録には日垣氏が「ここでしか手に入らないモノやコト」としている品目が載っていたことや、いわゆる「話のネタ」が2001年から何度も使われたもの(新大久保の列車事故及びホテルのプールで女性を助けた話:)であったことなどが興味深かったようだ。

なお問題のPDFはGoogleのキャッシュに残っており(要Googleアカウント)、Googleドキュメントに保存することで元のPDFもダウンロードできる。

参考資料1

【SOREHA】日垣隆スレ★65【女性もそうなのかぁ】
http://logsoku.com/thread/hato.2ch.net/ebooks/1314605439/559-

【×ソマリア】日垣隆スレ★65【○エアリア】
http://logsoku.com/thread/hato.2ch.net/ebooks/1314862553/

参考資料2

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2011/10/03

有料PDF URLダダ漏れ問題

日垣隆氏の公式サイトではPDF(電子書籍)を販売しているのだが、電子書籍をクレジットカードで決済するとURLが送られてくる。このURLからは認証なしでセキュリテイのかかっていないPDFファイルがダウンロードできる。このことは以前の記事で述べたので詳しいことはそちらを参照してほしい。

このURLがネット上に流出し、誰でもファイルがダウンロードできることが明らかになった。さらにGoogleのロボットにクロールされ、データはGoogleにキャッシュされた。サーバー上のファイルはクレドPDF流出問題後に移動(削除)され、日垣氏の管理するサーバーからはダウンロードできなくなった。しかしそれでもGoogleで検索してクイックビューなどキャッシュを参照することで依然としてPDFがダウンロードできる状態が続いた。現在はキャッシュも消え、ダウンロードできない状態になったので、この記事を書くことにした。

流出したそれらのURLはこういったものだった。

  • 対談集(主にサイエンス・サイトークでのインタビューを文字に起こしたもの)の場合
    http://www.gfighter.com/images/shop/taidan_対談相手の名前.pdf
    例)山形浩生氏へのインタビューの場合
    http://www.gfighter.com/images/shop/taidan_yamagatahiroo.pdf
  • それ以外(絶版本・小冊子等)
    http://www.gfighter.com/images/shop/書名.pdf または
    http://www.gfighter.com/images/images/
    書名.pdf
    例)偽善系 http://www.gfighter.com/images/shop/gizenkei.pdf
    偽善系2 http://www.gfighter.com/images/shop/gizenkei2.pdf

つまり、URLには規則性があり、いくつかのURLを知っていれば、他のPDFのURLも十分に推測可能なものであった。ということは、流出のきっかけとなったのは、日垣氏公式サイトで(いくつかの)電子書籍を購入した顧客が問題に気づき、流出させたと考えることもできる。

しかし、私の知る限り最も早く多くの情報を流出させていたのは、次のページである。

mitsumisa's Public Timeline
http://bitly.com/u/mitsumisa

このページはbitlyを使った短縮URLサービスのユーザーページで現在15ページあるが、ここには問題のPDFがダウンロードできたURLが多数登録されている。最初にPDFのURLが登録されたのは2010年6月、そして2010年12月からはPDFのURLが増えている。しかし、登録されているページや時期が妙なのだ。例えば、第7回会緊急日垣塾のページなど、公開されていないページのURLが登録されているのだ。他人の著作を自炊して公開問題で取り上げた「問題のPDFファイル」のURLも2011年6月7日(問題が2ちゃんねるで指摘されるひと月以上も前である)に登録されており、Info Page+ を見ると登録された直後に多数のユーザーが短縮URLにアクセスしている。また、緊急日垣塾の模様を撮影した写真のURLもイベント翌日に登録されている。そして、日垣氏のメールマガジンで使われている短縮URLの一部はこのユーザーによって登録されたものなのだ。

このmitsumisaというユーザーは何者なのか?

mitsumisa 日垣隆で検索してみると、どうやらそれらしい人物がヒットする。ただし、この人物がこの短縮URLサービスのユーザーであると特定・断定することはできない。しかし、先に書いたことによりこのmitsumisaというユーザーは日垣氏のスタッフであると推定している。つまり、故意であるか不注意かはわからないが、情報を漏らしていたのは日垣氏のスタッフであったのではないか。

以前の記事でも取り上げたが、日垣氏はこのダダ漏れ問題について2011年9月3日にfacebookで次のコメントを残している。

今朝は、私の公式サイトがハッカー被害にあい、有料コンテンツを無料にして新たなリンクを貼る(これは窃盗罪です)などをされました。メッセージでの嫌がらせから、犯罪の領域に入ってきています。

実際はサーバーを不正に操作されたなどということはないだろう。URLが流出していたのは一年以上前からであり、2011年7月には2ちゃんねるやツイッターでは公然の秘密であった。「今朝は」などという短い期間の話ではない。問題となる情報は内部スタッフによって漏えいしていたと推定される。仮にそうでない場合は日垣氏のいう「窃盗罪」の有力な容疑者はこのmitsumisaというユーザーになってしまう。

時系列を以下に整理しておく。

2010/06 bitlyユーザーmitsumisa氏により日垣氏サイトのPDFへの直接リンクが登録され始める
2010/12 mitsumisa氏によるPDFのURL登録が増え始める
2011/06/07 他人の著作をPDF化したもののURLがmitsumisa氏により登録される
2011/07/27 ダダ漏れ問題・他人の著作を自炊して公開問題発覚
2011/08/31 クレドPDF流出問題発覚
2011/09/03 日垣氏のサーバーからファイルが移動(削除)されダウンロードできなくなる。facebookで日垣氏「ハッカー被害」発言
2011/09 しばらくはGoogleのキャッシュからダウンロード可能だったが、徐々にキャッシュが使えなくなる。9月末には有料のPDFはすべてキャッシュから消える

(『クレドPDF流出事件』に続く)